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ビットコイン最高値更新の歴史。1000ドル突破に5年、6000ドル突破に1週間。

ビットコインが生まれてから初めて1000ドル(約12万円)を突破するのに要した約5年。1000ドルから2000ドルに要した3年半、2000ドルから3000ドルには2ヶ月半、3000ドルから4000ドルには約1週間と、高値更新の間隔はどんどん早まっている。これはビットコインの普及の現れか、バブルか。

ビットコインの価格推移:最高値更新6000ドルまでのステップ

ビットコインの価格推移

(2013年4月〜2017年10月21日)

ビットコイン価格歴史

ビットコイン誕生日の価格は0ドル。プライスレス。

ビットコインの価格が2017/10/20に初めて6000ドルを超えました。ビットコイン誕生から9年目の出来事です。ビットコインの誕生は、2008年の年の瀬にSatoshi Nakamotoが「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」を発表し、2ヶ月後の2009年1月3日に初めてのブロックが生成されたところから始まります。バースデーのプライスは0ドル。それから3212日が経過しました。

6000ドルを突破するまでに、1000ドル毎の最高値更新の壁を6回超えてきたことになります。1000ドルの壁を、ビットコインはどのように超えてきたのか、最高値更新の日最高値更新にかかった日数、最高値更新の当時のニュースの取扱について調べてみました。

データソース

coinmarketcap.comのHistorical data for Bitcoinのデータ、価格(BTC/USD)はHigh(高値)にて計算しています。

 

ビットコイン価格推移

ビットコイン価格初の1000ドル最高値更新に約5年の歳月

ビットコインが初めて1000ドルを超えたのは今から4年前の2013年11月です。当時のニュースでは、

 インターネット上で流通する仮想通貨「ビットコイン」の価格が27日、対ドルで初めて1000ドル台に乗せた。ビットコイン専門の取引所で大手のMt・Gox(マウントゴックス)では一時、1ビットコインあたり1070ドルを超える水準まで上昇。月初は210ドル台で推移していたが、27日までの1カ月弱で約5倍に跳ね上がった。  米国や中国の当局がビットコインの存在に寛容な姿勢を示したことなどを背景に、将来的に流通が広がるとの期待が膨らみ、最近、価格上昇に弾みがついている。世界中に格安の手数料で瞬時に送金できるのが利点で、電子決済の新たな手段として関心を集めている。2013/11/28付 日経電子版

この当時、仮想通貨市場を牽引していたのは中国でした。今から4年前の2013年10月14日にネットサービス大手の『百度(Baidu)』がビットコイン決済に対応することを発表して以来、投機熱が加熱。テレビや新聞でもビットコイン長者の誕生が報じられるほど異常な盛り上がりを見せていました。世界で流通するビットコインの40%以上が中国経由で売買されるようになっていました。

そのような当時の状況の中、2013年11月下旬にビットコイン価格は1000ドルを突破しました。ところが、2013年12月に、中国の中央銀行である中国人民銀行が「ビットコインは通貨として市場で流通・使用することはできない」との通知を発したことで、中国人投機家たちがいっせいに投げ売りを始め、12月は大暴落となりました。

ビットコイン価格初の2000ドル最高値更新は、3年後の2017年5月

ビットコイン価格が初めて2000ドル(約24万円)に到達したのは、1000ドル突破から3年の月日を要しました。ただ、0ドルから1000ドルまで約5年要したことと比べると格段に価格上昇の速度は上がっています。当時のニュースでは、

情報サイトのコインデスクによると、昨年5月下旬に1ビットコイン=450ドル前後だった価格は、今月に入り初の2000ドル台を突破、きょうは2300ドル台まで値を上げている。この1年間で価格は5倍に跳ね上がった。… ビットコイン上昇の背景には何があるのか。「これまでビットコインというと中国人の動向が注目されてきた。しかし、当局の規制もあり中国人の勢いは落ちている。むしろ主導しているのは日本人だろう」5月24日(水)Yahooニュース

この頃日本では「改正資金決済法」が施行され、ビットコインは通貨としてのお墨付きを得た格好となったことで、日本人のビットコインへの認知度は高まり、ビットコイン市場への資金流入が加速していた模様です。

またアメリカのトランプ政権不安や北朝鮮問題など地政学リスクが顕在化してきており、安全資産としてのビットコインという構図が取り沙汰されていました。

ビットコイン初の3000ドル最高値更新は、2ヶ月後の2017年8月

この記事のデータ元coinmarketcap.comのHistorical data for Bitcoinではビットコインが初の3000ドルを突破し、当時の最高値を更新したのは2017年8月です。しかし、他のソースでは6月時点で一時的に3000ドルを突破しており、当時の3000ドル突破について言及する記事は6月時点のものが多いので、6月時点のニュースを引用します。

仮想通貨ビットコインの価格が上昇している。ビットコインの情報サイトを運営するコインデスクによると、ビットコインのドル建て相場は11日に一時3025.47ドルまで上昇し、過去最高値を付けた。12日午前も3000ドル台で推移している。時価総額2位の「イーサリアム」も足元で350ドル前後と最高値圏で推移している。ビットコインやイーサリアムを活用したサービスが増加傾向にあり、用途の拡大などを期待した買いが入った。2017/6/12 日経電子版

ビットコイン初の4000ドル最高値更新は、分裂危機騒動後の8月

ビットコインの4000ドル最高値を更新したのは、分裂危機騒動後の8月です。8月と言えば分裂危機騒動です。ビットコインの処理速度の問題解決を巡る対立が分裂騒動に発展した不透明感が嫌気され、ビットコインの価格は7月には一時2,000ドルを割っていました。

しかしながら、新通貨ビットコインキャッシュとの分裂後もビットコインに大きな混乱がなかったことから個人投資家からの資金流入が回復しており、4000ドルの値をつけました。また仮想通貨を支える投資家の主役が中国から日本に変わったと指摘されていたのもこの頃です。ビットコインの通貨別取引量の50%近くが日本円建てになっていました。

インターネット上で取引が可能な仮想通貨ビットコインがUTC(協定世界時)13日朝の取引で、一時、1ビットコイン=4000ドル(約43.8万円)を突破し、先週8日に記録した史上最高値(3500ドル超)をあっさり更新した。2017/08/15 モーニングスター

ビットコイン初の5000ドル最高値更新は、分裂危機騒動後の8月

ビットコイン価格が初の5000ドルを突破し、史上最高値更新と話題になったのはつい先日の10月12日です。8月の4000ドル突破から、ちょうど2ヶ月後の出来事です。

仮想通貨ビットコインが12日に5000ドルを突破した。これはバブルなのか、それとも上昇は始まったばかりなのか。   昨年12月には1000ドル未満だったビットコインはその後、規制強化や基盤のブロックチェーンの分裂、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)の「詐欺」批判などにもかかわらず上昇し、価格は今や5倍以上になった。2017年10月13日 ブルームバーグ

中国政府が9月に実施したICO規制や人民元取引といった諸規制措置を緩和すると報道されたこと、ゴールドマン・サックス・グループが顧客の仮想通貨取引を支援する方法を模索していること、他の小規模な仮想通貨に比べ人気が高いことなどを背景に、さらに10月と11月の再びの分裂への憶測から買いが進んだと言われています。

ビットコイン初の6000ドル最高値更新は、一週間後の10月20日

仮想通貨ビットコインBTC=BTSPが20日、一時初めて6000ドルを突破し、市場の時価総額は1000億ドル相当に膨らんだ。 その後は4.8%高の5975ドル近辺で推移。 ビットコインは年初来6倍超に値上がり。CNBCの調査では、約半数の回答者が今後1万ドル超えに向かう可能性があると回答した。2017年10月21日 ロイター通信

ビットコインが6000ドルを超え最高値更新をしたのが10月20日です。10月25日前後に、再び分裂するとの思惑が買いにつながっているようです。8月に分裂し、新通貨「ビットコインキャッシュ(BCC)」が誕生したときには、当時のビットコイン保有者に新通貨が付与されました。 今回も同じように、ビットコインを取得すれば新通過(ビットコインゴールド)がもらえるとの期待感が買いを進めています。ビットコインは時価総額は一時997億ドル(約11兆3000億円)を超え、1000億ドルに迫っています。

破竹の勢いのビットコイン価格は、2009年の誕生から2017年10月現在まで、1000ドルごとの最高値更新を6回繰り返してきました。日に日に、高値更新の頻度は高くなっており、これを普及が進んだ証と言うこともできますし、一方でバブル特有の値上がりと指摘する人もいます。

このようにビットコイン価格が上昇基調にある一方で、ビットコインの決済シーンが拡大しているとは思えません。あくまでも投機対象としてのビットコイン価格上昇であることは、頭に入れておきたいことです。