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ICOで1200円しか調達できなかった悲惨案件、「アレ」を残して去っていった。

2017年に続きICOの案件数は数多くある中で、大変残念な案件がありました。ヨーロッパバルト三国の1つ、リトアニアのスタートアップのICO事例です。Prodeum(プロデウム)と呼ばれるプロジェクトは、野菜や果物などの農作物にブロックチェーンを利用するシステム開発でした。

 

このプロジェクトではICOで650万ドル(約7億円)を調達する予定でしたが、結果的に調達できたのはたったの11ドル(約1200円)だけでした。すると、彼らはオフィシャルサイト(prodeum.io)にアレ(penis)の文字だけを残して消えていきました

 

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詐欺案件ICO

農作物をブロックチェーン技術で追跡可能にするという試み自体は、既存サービスではprovenanceが先行し、米小売大手のウォルマートも研究を始めているように実用性の高い分野だと思います。

 

したがって、今回の事例はプロジェクトの価値の有無ではなく、詐欺案件です。というのも、今回ICOでアドバイザーとして名を連ねていたダリウス・ルーゲビシャス(Darius Rugevicius)氏、ヴィータウタス・カセータ(Vytautas Kaseta)氏、マリオ・パゾス(Mario Pazos)氏の3人は、実在していないか或いは一切関与していないとアナウンスしているからです。

 

ICOは、ブロックチェーン関連企業が活用する資金調達方法で、まだ規制や法整備が整っていない状況です。理論上は、プロジェクトが進捗し成功することで発行されたトークン価値は上昇します。しかし、現在の価値、価格上昇は多くの投資家が闇雲に買い漁ってるからです。

 

ICOの風当たりは日に日に強くなっており、昨日、Facebookは仮想通貨関連の広告出稿を禁止しました。恐らくこれに習うメディア事業者は今後増えると予想されます。広告を出さないと集客、資金調達ができないようなICOは淘汰されるべきで、余計な情報収集に付き合わなくて良くなったと好意的に捉えています。

 

今後も有象無象に増えていくICO案件の情報収集は労力を使いますが、大切な自己資産を投資するわけなので、しっかりとホワイトペーパーを読み、テレグラフでコミュニティ内の人数や会話を把握してから資金を注入しましょう。