ゲーム配信サービス「Steam」でビットコインの支払いサポートが終了しました。2016年の4月からビットコイン支払を受け付けていたので、実質1年半で終了ということになります。
Steamがビットコインの支払受付をやめた理由
理由は大きく2つです。ビットコイン価格の急激な変動と決済処理手数料の大幅な増加です。2017年1月1日の価格と12月5日の価格を比べると、約11.7倍に値上がりしています。
例えば、Steamユーザーがゲーム代金支払にビットコインを送ったとします。決済処理が完了するまでに価格が大幅に変動(上昇であれ下降であえ)すると、決済完了後に金額の過不足が生じます。そうなるとユーザーに超過分を払い戻ししたり、不足分を追加送金をしてもらわなければなりません。
このような短期的な価格変動による煩雑な処理を避けるには、決済処理時間を短縮するしかありません。ここで発生するのが決済手数料です。
主要仮想通貨の決済手数料の推移
ご覧の通り、1つのトランザクション(決済処理)を終えるためにはもともと0.数ドルだったものが、2.5ドルほど必要としています。また、再請求や払い戻しをするにも再び決済手数料を支払わなければ取引が完了しないため、決済手数料は馬鹿になりません。
ビットコインの決済手数料は任意設定
決済手数料は任意で決めることができますが、相場よりあまりにも安い決済手数料に設定すると、決済が後回しにされてしまい、その間にビットコイン価格が大きく変動するリスクに直面します。このような四面楚歌の状態が続いたため、Steamはビットコインによる支払を停止しました。
ビットコイン決済手数料とは何か
ビットコインは決済手数料(送金手数料ともいう)がかかりますが、実際は手数料なしで送金することも可能です。ただし、依頼した処理が一向にされない可能性が高くなるため現実的ではありません。送金による手数料は取引を承認しているマイナー(採掘者)に支払われます。
マイナーは経済合理性に基づいて行動するため、必然的に手数料の高い送金から処理されていくことになります。したがって、目安となる決済手数料の相場が形成されていきます。送金手数料は自身で設定することもできますが、基本取引所やウォレットによって固定されています。
各取引所によって違いはありますが、0.0005BTCがひとつの相場といえます。また、ネットワークの混雑により0.001BTCに引き上げる場合もあります。ユーザーが自由に設定できるケースでは、主要取引所やウォレットの手数料相場を参考にするとよいでしょう。
取引所 | 送金手数料 |
---|---|
bitFlyer | 0.0005BTC |
coincheck | 0.001BTC |
Zaif | 0.0001BTC |
Bitbank | 0.001BTC |
Kraken | 0.0005BTC |
Steamにかぎらず、価格変動と決済手数料高騰は、他のサービスでも同じ影響を受けているのでこれからビットコイン支払を受付停止するサービス提供者が増えるかもしれません。