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仮想通貨にチャート分析:使える5つの代表指標を完全解説

アプリの画面を開いてはビットコイン価格をチェックして、一喜一憂していませんか?誰にも分からないビットコインの未来に対してお金をかけて、運が良ければ値上がりし運が悪ければ損をする。仮想通貨にこのようなイメージを持っているなら、今からそれをギャンブルと呼び、そして、運に任せたギャンブラーではなく、自分なりの予測を立てる投資家として振る舞うべきです。

 

チャート分析を学び仮想通貨をギャンブルのように扱わない

 

本来、参加者全員からみたらギャンブルはマイナスサムゲームで、将来的には必ず負けます。投資はプラスサムゲームで、将来の成長を参加者みんなでで共有するものです。仮想通貨投資で成功するために、あらゆる金融商品を知る必要も専門家になる必要もありません。

期待値で分ける3つの分類
  • マイナスサムゲーム:宝くじ、競馬、パチンコ
  • ゼロサムゲーム:仲間内の賭け事
  • プラスサムゲーム:株式投資、預金、普通に仕事すること

ビットコインの将来価格を正確に予測することは誰にもできませんから、1人の投資家として自分なりの予測や根拠を持つことが大変重要なことです。アプリとにらめっこをする時間を少し割いて、仮想通貨に使えるチャート分析を学び、自分なりの価格予測を立てましょう。

これから学んでいくチャート分析の手法は、株式投資やFX投資にも利用されています。仮に仮想通貨投資で負けても「高い勉強代だった」と開き直らずに「今後の投資に良い勉強になった」と思えるはずです。

 

仮想通貨にチャート分析がなぜ有効なのか

では、さっそく仮想通貨の将来価格予測に役立つする5つのチャート分析を学んでいきましょう。まず、仮想通貨の将来を予測するために、なぜチャート分析が有効なのでしょうか。極端に言えば仮想通貨には予測ツールとして「チャート分析しかない」からです。本来、投資とトレードには異なります。

株式投資でいえば、長期的な企業価値に資金を投じるのが投資で、短期的な株価に資金を投じるのがトレードです。チャート分析はトレードのためのツールであって、投資ツールとは言えません。仮想通貨トレードにチャート分析を用いる意味を3点挙げます。

1.ビットコインは業績を報告する組織や義務がない

仮想通貨には株式投資と違って四半期に一度の業績発表はありませんし、どこかの国の法定通貨ではないため国力に依存しません。つまり経済状況や財務状況から投資判断をするファンダメンタルズ分析が効かないのです。そこで、仮想通貨の投資には「過去のトレンドから将来価格のあたりをつけるチャート分析」が有効だと言えます。

参 考 情 報

仮想通貨にファンダメンタルズ分析を求めるなら、ビジネスモデルや採用している技術、そして実現性などが該当するかもしれません。またホワイトペーパーから開発背景やトークンの発行限度数、内部の保有数は目を通しておきましょう。Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System /Ethereum Homestead DocumentationCOMSA whitepaper / DASH whitepaper / Zcash whitepaper またICO銘柄は、CoinGecko / Cryptocompareicocountdown / が網羅的です。

ICOってなに?

ICOは、企業やプロジェクトが自らのトークンやコインを発行して資金調達を行う方法です。2017年9月上旬、中国の中央銀行は、この手法を金融詐欺だとして中国国内のICOを全面的に禁止しました。

2.制限の無い価格変動に自分なりの制限を

金融業界の重鎮が「ビットコインはバブルだ」と言えば仮想通貨価格は下がり、中国が仮想通貨の規制を強化すれば価格は下がります。北朝鮮がミサイルを発射すれば仮想通貨価格が上がるかもしれません。

価格変動率は無制限のため不安になることがありますが、チャート分析を用いることで、変動率のレンジを見極めることができます。「どの程度上がる、下がるだろう。もしこの水準まで下がるなら追加投資をしよう」といった、未来の道筋も見えてくるようになるでしょう。

3.チャート指標を用いる世界中のトレーダーと対等に

ビットコインの価格を支えているのはプロ投資家だけではなく、仮想通貨の未来に期待する一般投資家たちという点です。では、彼らは何を見て価格を予測してトレードしているのでしょうか。言うまでもなくチャートです。では、その一般投資家はどこにいるのでしょうか?

ビットコイン保有者に日本人が多いのは事実ですが、投資家は世界中にいます。世界最大の仮想通貨取引所は米国ポロニエックス(Poloniex)社です。ポロニエックス社が提供するチャートを世界中の投資家が見て、投資しているのです。神様の見えざる手で価格が動くのではなく「同じチャートを見ている投資家たちの心理」によって価格が動くという事を覚えておきましょう。

仮想通貨をただの賭け事にしないためにも、チャート分析の基本だけは抑えておきましょう。

 

テクニカル分析・チャート分析の大前提は「歴史は繰り返す」

 

チャート分析の必要性・有効性について理解が進んだところで、そもそもチャート分析とは何かを抑えておきましょう。チャート分析を通じて最終的にしたいことは「仮想通貨の将来価格を予測すること」です。価格予測には2つのアプローチがあり、1つはファンダメンタルズ分析(Fundamental analysis)、もう1つはテクニカル分析(Technical analysis)です。

 

図:仮想通貨の価格予測のアプローチ

仮想通貨のチャート分析方法

 

テクニカル分析は「仮想通貨価格の過去の値動きパターンから、将来の値動きを予測する」手法です。テクニカル分析を視覚的に見やすいようにチャートの形(グラフ)にしたものがチャート分析です。過去の値動きから未来を予測する、すなわち「歴史は繰り返す」という大前提に立っていることは頭の隅に入れておきましょう。

 

覚えておきたい仮想通貨チャート分析の5つの代表的指標

 

これから紹介する5つ以外にもたくさんのチャート分析手法がありますが、この5つを抑えておけば自然と身につくものばかりです。今回ご紹介する5つの指標は、世界最大の仮想通貨取引所でアメリカポロニエックス社で採用されている5つのチャート分析指標です。世界中のビットコイントレーダーたちが、この指標を使ってトレードしているのです。

ローソク足:Candle Stick
シンプルだけど奥が深い、世界に誇るメイドインジャパンのチャート分析代表格
フィボナッチリトレースメント:Fib level」
人間が感じる美しさという心理的安定感を投資に持ち込んだビューティフル指標
単純移動平均線:SMA
小学生でも計算できる単純な指標だけど、トレンドキャッチャーの代表選手
指数平滑移動平均:EMA
名前は複雑だけど言っていることはいたってシンプル。今が大切、過去は軽視。
ボリンジャーバンド:Bollinger Band
盲信しすぎは禁物!確率95%に期待させるキングオブチャート

これらの指標はアメリカポロニエックス社が採用する指標ですが、安心して下さい、日本でもFXや株式投資に利用されている代表的な指標です。なお、ポロニエックス社ではこの5つ以外にも指標が提供されています。最後のパートで、一通りの指標の説明と日本語訳を掲載していますので、もしポロニエックスを使う際には参考にして下さい。

さて、ながい準備運動は終わりました。さっそくチャート分析の話に移りたいと思います。なお、ここではハウツーよりも考え方に重点を置いています。いちばんのハウツーは自分でチャートを分析して、バックテスト(検証作業)することです。

 

ローソク足:Candle Stick
シンプルだけど奥が深い、世界に誇るメイドインジャパンのチャート分析代表格

 

ローソク足は江戸時代にお米の取引で利用されはじめた、日本製の分析手法です。いまではキャンドルスティック(CandleStick)と呼ばれ世界中の投資家が日常的に使用しています。というのも、ローソク足の特徴は色と形を見るだけでその日・その週値動きが分かり、視覚的にもわかりやすいためチャートだからです。ただ、見た目がシンプルがゆえに、なんとなく見て終わってしまう人が多いのです。ローソク足の見方次第で投資家心理まで読み取ることができるので、これから説明するキホンは頭に入れておきましょう。

ローソク足は、たった4つの情報があれば誰でも作れる

ローソク足は、4つの価格で構成された単純なチャートで、ローソク1本は1日や1週間など分析期間に応じて自由に変更できます。また、始値より終値が高い場合は陽線(Bullish Candle Stick)と呼び、始値より終値が安い場合は陰線(Bearish Candle Stick)と呼びます。ツールや国によって白黒、赤緑、緑赤などで色分けされています。

図:ローソク足の作り方

ローソク足のチャート分析の作り方

  • 始値(はじめね:OPEN)ーー最初についた価格
  • 高値(たかね:HIGH)ーー最後についた価格
  • 安値(やすね:LOW)ーーいちばん安かった価格
  • 終値(おわりね:CLOSE)ーーいちばん高かった価格

出現パターンを探す前にまず1本を徹底理解が先決

ローソク足には1本で読み取れる型と、複数本のフォーメーションから読み取れる型があります。ローソク足を学んでいくと、三空踏み上げ、赤三兵、三羽烏といった単語に出会うはずです。例えば、三羽烏なら陰線が3本並ぶと上昇局面において、この陰線が連続して3本出てくると、その後下げを示唆するといったフォーメーションの読み方です。

これは「歴史は繰り返す」というチャート分析の大前提を如実に表しています。しつこいようですが、チャート分析の根底に流れる考え方は「過去にこういうケースが繰り返されているから、きっと次回もこうなるはず」ということを忘れないようにしましょう。なお、1本を読み取れなければ複数本の型は読み取れません。まずは1本のローソクに目を向けましょう。

何よりもまずは「大陽線と大陰線」をチャート画面から探す

1本のローソク足で読み取れるものの1つに、大陽線と大陰線という型があります。陰と陽の言葉が示すように、世界中の仮想通貨の投資家が売りと買いの攻防戦を繰り返すなかで、買い方が圧倒的に強い場合が大陽線となり、売り方が強くて圧倒的に売り込まれるといったものが、大陽線です。この2つのローソク足がチャート上に現れると、1つの相場が始まり1つの相場が終わることを示しています。

図:1本のローソク足:丸坊主

チャート分析の丸坊主編

大陽線と大陰線をきっかけにトレンドが変化する

これはビットコイン価格チャートです。いくつかの大陽線(緑)と大陰線(赤)をきっかけにトレンドが変わっていくのがわかります。そのため、ローソク足のチャートを見るときには、まずはじめに天井圏にある大陽線・大陰線、底値圏にある大陽線・大陰線を探すことによってトレンドを発見することができます。

 

図:ローソク足からトレンドを見つけるローソク足のチャート分析

 

ところが、黄色で囲われた大陰線をみて頂くとお分かりのように、相場が反転しない大陰線もあることに注意が必要です。3本の大陰線が連続して続いていれば、そろそろ底打ちすると考えてしまいがちです。しかし実際に底打ちするのは、そこからしばらく先のことです。実は、この急落は中国による仮想通貨規制の発表や取引所閉鎖の憶測が飛び交った時期に相当します。

 

図:その他ローソク足のパターン(英語)

ローソク足のフォーメーションの事例

 

コーヒーブレイク
ローソク足が生まれのたのは八代将軍徳川吉宗の時代です。彼は江戸幕府の財政を建て直した名君、米将軍として人気が高いですね。この当時、経済の中心はお米で、給与の支払にお米が使われていたほど米本位性です。この時代に登場したのが天才相場師の本間宗久です。今から300年近く前に、本間宗久はローソク足のフォーメーション(並び方)に注目して、相場予測法を構築しました。出身地の名前をとって「酒田罫線」「酒田五法」などと称され、いまだに色褪せずにトレーダーたちの支えとなっています。

フィボナッチリトレースメント:Fib level」
人間が感じる美しさという心理的安定感を投資に持ち込んだビューティフル指標

 

ものごとは一直線には進まない、山あり谷あり

仮想通貨のチャート分析2つめは、フィボナッチです。イタリアの数学者でレオナルド・フィボナッチによるフィボナッチ数列をチャート分析に応用した分析です。リトレースメントは、「引き返す」という意味です。「仮想通貨の価格にトレンドが発生しても、一直線に上昇下降するわけがない。必ず行ったり来たりを繰り返すはずだ」という考え方を前提にしています。

その前提に立って「どの程度、行ったり来たりするか?」を考えようではないか、というのがフィボナッチ分析の趣旨です。つまり「上昇トレンド中に、価格が下る、ではどこまで下がるか?」を予測するような場面で役立つチャート分析の1つです。

具体的には、一定期間の高値と安値をそれぞれ100%、0%とし、その間に「61.8%、38.2%、23.6%」というフィボナッチ比率のラインを引いて目標価格を推測します。なぜフィボナッチ数列なのかというと、フィボナッチ比率は黄金比率と呼ばれ、芸術作品やひまわりの種の配列など自然界や芸術界において「美しさ」の基準となっています。

美しいということは心理的な安定感を意味します。これを投資の世界で考えると、心理的な支持帯や抵抗帯になっていてると言えるのです。上がり続ける価格には不安が生じ、下がり続ける価格には期待が生じる、つまり心をもった大多数の投資家がが同じような心理状態になることから、フィボナッチ比率が有効に機能するのです。

 

図:フィボナッチ分析の方法

フィボナッチライン(比率)の参考例

フィボナッチ数列とフィボナッチ比率、そして黄金比へ

 

フィボナッチ数列(Fibonacci sequence):
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597, 2584, 4181, 6765, 10946

 

フィボナッチ比率「61.8%、38.2%、23.6%」について少し補足しておきます。フィボナッチ比率の元の数はフィボナッチ数列です。フィボナッチ数列というのは、数学者フィボナッチが考案した、どの項もその直前の2つの項の和(足し算)となる数字の列です。そしてフィボナッチ比率は、フィボナッチ数列上の数を、前後の数で割ることで得られる比率です。

例えば、フィボナッチ数列のある1つの数字を選んでその直後の数で割ってみましょう。そうすると0.618に、2つ後の数で割ると0.38に、3つ後の数で割ると0.23になる(より上位の数字で計算すると収束していく)のです。これがフィボナッチ比率です。

フィボナッチ数列とフィボナッチ比率をまとめると

  • フィボナッチ数列は、連続する2つの数字の和がその次の数になる数の列
  • どの数字も、1つ上位の数字で割ると0.618に近づいていく
  • どの数字も、2つ上位の数字で割ると0.382をに近づいていく
  • どの数字も、3つ上位の数字で割ると0.236に近づいていく

という特徴を持ちます。

さて、フィボナッチ数列からフィボナッチ比率を求めてきましたが、これを投資心理に結びつけるにはもうワンステップ必要です。次はこの数字の「美しさ、つまり心理的な安定感」にフォーカスしていきます。フィボナッチ数列の隣り合う1組の数字が収束(近づいていく)していく「0.618」は、黄金比(Golden Ratio)と呼ばれ、世界で最も美しい比率と呼ばれています。数式だけでは表現できない黄金比で構成された美しさをいくつか紹介します。

 

図:フィボナッチ比率(黄金比)とデザインたち

フィボナッチ数列、比率、黄金比

黄金比の参考事例アップルロゴ編

黄金比の参考事例車のデザイン

黄金比の参考事例女性版

 

コーヒーブレイク
ダン・ブラウン原作の映画「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)では冒頭のシーンで10桁の暗証番号「1 1 2 3 5 8 1 3 2 1」が現れています。この暗号を使って地下室の金庫が開き、逃走劇が始まります。さて、この10桁の暗証番号は、実は8つのフィボナッチ数です。

単純移動平均線:SMA
小学生でも計算できる単純な指標だけど、トレンドキャッチャーの代表選手

  • SMA(Simple Moving Average:単純移動平均線)
  • EMA(Exponential Moving Average:指数平滑移動平均線)

5つの指標のうち2つ、SMAとEMAは移動平均線というチャート分析の1種です。ローソク足とともにほぼ全てのトレーダーが利用している代表的なチャート分析手法です。移動平均線は一定期間の仮想通貨の終値の平均値をつなぎ合わせて線にしたものです。下図の青色線(SMA)と黄色線(EMA)が移動平均線です。なお、ローソク足も同時に表示されており緑色が陽線(上昇)、赤色が陰線(下降)です。

 

図:SMAとEMA

指数平滑移動平均と単純移動平均線の線

点のローソク、線の移動平均

ローソク足のチャートに比べて、相場の流れ、トレンドがわかりやすいという特徴があります。考え方としては、ローソク足は1本の棒グラフで、移動平均線は点をつないだ折れ線グラフです。棒グラフのローソク足は、特定の日にどのような動きをしたかを点で表し、折れ線グラフの移動平均線はより一定期間の相場の流れを表します。ローソク足と移動平均線は互いに補完し合うパートナーのような関係にあり、一緒に同時に見ることで意味をなします。

移動平均線は見るだけではなく、作って覚える

EMA(指数平滑移動平均線)はSMA(単純移動平均線)の拡張版にあたるので、最初にSMA(単純移動平均線)を使って移動平均線を学んでいきます。ここでは、5日移動平均線というものを例に説明します。これは5日間の終値の平均値を計算して繋げた線です。

ビットコイン価格の10日間の終値(ドル)が、以下の通りだったとします。

1日  3,500
2日  3,520
3日  3,540
4日  3,560
5日  3,580
6日  3,520
7日  3,480
8日  3,440
9日  3,400
10日  3,460

5日移動平均線は5日間のデータが必要ですので、まずは1日目から5日目までの価格の平均値3,540円を求めます。これが移動平均線の起点となります。次に、2日目から6日目までの平均値3,544円を求めます。これが、移動平均線の2点目です。この2つの点を繋げれば線になります。この計算と点打ちを10日目まで繰り返していくと5日移動平均線が完成します。

 

図:SMAの作り方

単純移動平均線SMAの作り方

 

この例では、計算期間を5日間に設定して計算しましたが、5日間よりも期間が長い25日、75日、200日移動平均線もよく使用されます。例えば25日移動平均線であれば、直近25日間の平均値を使って線を作成していきます。なお、ポロニエックス社の期間設定は自由入力となっています。25、75、200と入力することによってその期間に応じた移動平均線がチャート画面に描写されます。

 

指数平滑移動平均:EMA
名前は複雑だけど言っていることはいたってシンプル。今が大切、過去は軽視。

 

EMAはSMAと考え方や使い方は同じです。1点だけ相違点があり、それは5日前の価格と今日の価格を平等に扱わないという点です。最新の価格を重視し、過去の価格を軽視します。具体的には、最新の価格に加重(重み付け)することで、最新の値動きに重きを置く計算をします。この計算によって最新価格に敏感になり、直近の相場に素早く反応します。したがって、精度が高いのはSMAよりEMAと言われています。

EMAの計算方法

1日目のEMA計算方法は、SMA(単純移動平均)と同じで、対象期間における終値の平均値
2日目以降のEMA計算方法は、「前日のEMA+k×(当日終値-前日のEMA)」
k=2/(n+1)、 n=期間

 

図:EMAの作り方

指数平滑移動平均EMAの作り方

EMAで見えてくる過去を軽視する意味

EMAを解説するときに「最新価格を2倍」という表現を見かけますが、これには少し補足が必要です。最新価格を重視することには変わりないのですが、過去のデータほど「重みを減少させていく」のが正しい表現です。そして、その重みが指数関数的に減少していきます。

重みの減り具合は、0と1の間の値を取る定数kで決まります。kは平準化係数と呼ばれ、係数10%と言えば、k=0.1と同じことです。ある日のEMAを求めるには前日EMAにkを掛けます。前日EMAを求めたときには前々日のEMAにkをかけています。こうして平準化係数kをかけ合わせていくことによって過去を軽視、つまり最新価格を重視しているのです。

移動平均線(SMAとEMA)を仮想通貨のチャート分析に活用する

移動平均線を使ってチャート分析をする上で、まず抑えておきたいのは2つの考え方です。

  • 移動平均線の傾きからトレンドの方向性を考える
  • ローソク足との位置関係からトレンドの強弱を考える

1.移動平均線の傾きからトレンドの方向性を考える

 

図:移動平均線からトレンドを把握

移動平均線とローソク足位置関係

 

  • ローソク足が移動平均線(SMA・EMA)より上にある場合、強気トレンド
  • ローソク足が移動平均線(SMA・EMA)より下にある場合、弱気トレンド
  • ローソク足と移動平均線(SMA・EMA)が重なっている場合、横ばい側

このようにローソク足に移動平均線を合わせることによって、ローソク足だけでは見えなかった「トレンド」を把握することができます。移動平均線が過去の平均価格、ローソク足が当日の数字であることを考えると、移動平均線よりも上にローソク足の終値があれば、最近仮想通貨を買った人の多くは、今、儲かっている状態と言えます。

2.ローソク足との位置関係でトレンドを知る

さて、移動平均線とローソク足の位置関係で、トレンドの方向性が分かりました。次にトレンドの強さについて学んでいきます。例えば、仮想通貨を短期的に売買し収益をあげるトレードを考えてみます。トレーダーにとって、収益の源泉は値幅、価格差です。価格が一方方向に伸びるトレンド発生時が収益化のチャンスです。移動平均線が過去の平均価格であるということは、傾き(角度)は、値動きの大きさを指し示しています。

  • 移動平均線の角度が急なら、トレンドの力が強い

といえます。右肩上がりの急勾配を描いているなら、上昇トレンドが強いということになります。逆に右肩下がりに急勾配しているなら、下降トレンドが強いということです。

移動平均線は複数本同時に見る

「移動平均線はこうして作られる」で作成したように、移動平均線はどこまで過去の価格を参考にするか自由に決めることができます。過去5日間を参照するなら5日移動平均線となり、200日なら200日移動平均線となります。一般的には1本の移動平均グラフだけではなく、短期用(5日)、長期用(200日)というように複数本利用したほうが予測精度が上がります。

この意味を野球選手になぞらえて考えてみましょう。たとえば、野球のイチロー選手の1週間の打率が、非常に悪かったとします。もしイチロー選手の過去を知らない人なら、打率の悪い凡打者と映るでしょう。しかし、わたしたちは過去の栄光を知っていますので、一時的なスランプだろうと考えます。

これが短期と長期の複数本用意する意義です。短期的には下降トレンドに見えたが、長期的には上昇トレンドだったという分析もできるのです。さらに、複数本操れるようになれば、例えばゴールデンクロス・デッドクロスといった相場転換のシグナルをキャッチすることもできます。

ゴールデンクロス:短期の移動平均線が長期の移動平均線を「下」から「上」に突き抜ける形
デッドクロス:短期の移動平均線が長期の移動平均線を「上」から「下」に突き抜ける形

さて、短期と長期をどう決めたらいいのでしょうか。仮想通貨のチャート分析の目標は価格の予測ですから、孫子の兵法「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」に従い、世界中の投資家たちの利用している期間選択(period)をそのまま利用してしまいましょう。

仮想通貨や外国為替の一般的な期間選択
・短期:10日移動平均線
・中期:50日移動平均線
・長期:200日移動平均線

株式市場の一般的な期間選択
・短期:25日移動平均線
・中期:75日移動平均線
・長期:200日移動平均線

フィボナッチ数列を採用する人もいます
・短期:8日移動平均線
・中期:21日移動平均線
・長期:55日移動平均線

数十年の過去データが蓄積された株式市場や外国為替市場と違って、仮想通貨市場は歴史が浅く、非常にボラティリティ(価格の変動率:Volatility)が高いです。したがって、これらの期間設定では思うようなトレンドが把握できない場合もあります。これらの期間選択と同時に、何パターンか試してみることをおすすめします。

参 考 情 報

仮想通貨のボラティリティ(価格変動率)が高いという点は、価格差が収益源のトレーダーには機会として映りますが、決済に使う通貨としては非常に不安定です。昨年1ヶ月の価格変動率がUSD/JPY:約1%、OIL/USD:約3%、BTC/JPY:約6%というデータがあります。米ドル通貨ペアに比べて6倍のボラティリティがあるわけです。また、仮想通貨取引の特徴として流動性(リクイディティ)にも注意が必要です。これは端的には取引量の多さを示し、流動性が低いと売りたいときに買い手がいない、売りたいときに買い手がいないという残念な状況を引き起こします。なお、ビットコインの取引量はFX取引量の約1%と言われています。

ボリンジャーバンド:Bollinger Band
盲信しすぎは禁物!確率95%に期待させるキングオブチャート

 

それでは最後の仮想通貨チャート分析指標を学んでいきます。ボリンジャーバンドは、仮想通貨の価格がこの範囲で推移するはずだという範囲を求める指標です。ここで、これまで学んできた4つの指標を振り返りましょう。

1.ローソク足で当日の値動きの形を知る(Candle Stick)
2.移動平均線で過去の値動きの推移を知る(SMA/EMA)
3.フィボナッチで未来の値動きの行ったり来たりを予想する(Fibonacci)

でした。ボリンジャーバンドはどのような性質をもつ指標かと言えば、

4.ボリンジャーバンドで未来の値動きの範囲を知る(Bollinger Band)

ということです。考え方はフィボナッチに似ており、「将来の価格はこの水準になるはずだ」ということを確率的に求めます。仮想通貨の将来価格はどの範囲で動くかという、目標価格を決めるためのものです。フィボナッチではフィボナッチ比率で範囲を求め、ボリンジャーバンドでは「ある価格」に標準偏差(σ:シグマ)を用いて範囲を求めます。

  • ・±1σに収まる確率 = 68.26%
  • ・±2σに収まる確率 = 95.44%
  • ・±3σに収まる確率 = 99.73%

「ある価格」というのが、移動平均線に該当します。それぞれ別のチャート分析に見えていたものが、ここで結合されるのです。ローソク足で終値を知り、その推移としての移動平均線、移動平均線に幅もたせたボリンジャーバンド。仮想通貨の将来価格予測に補完し合う形で、それぞれの指標が役立ってくるのです。

 

図:ボリンジャーバンドの使いかた

ボリンジャーバンドの使いかた

 

ボリンジャーバンドは移動平均線(図ではEMA)の上と下に線を引いて幅(バンド)にするチャートです。このバンド(幅)が言っているのは「価格の大半が、この幅の中に収まりますよ」ということです。仮想通貨の価格が、バンドの中で推移するという前提なので、バンドから外れる価格は、売られすぎか買われすぎのシグナルと読み取れるわけです。

例えば、大手銀行とビットコインの技術提携、8月のビットコイン分裂問題、9月の中国のICO規制といった大きなイベントが発生するとバンドから価格がはみ出し、トレンドが大きく変化する場合があります。

このチャートは統計学の正規分布の考え方が採用されており、一定期間の仮想通貨価格が正規分布している場合なら「平均値±標準偏差(σ)」内に価格が収まる確率は約68%、「平均値±標準偏差(σ)の2倍」内に価格が収まる確率は約95%であることが知られています。正規分布と標準偏差については後ほど説明します。

ボリンジャーバンドは拡張(expansion)と収縮(Squeeze)を繰り返します。これは幅が広くなっているところは仮想通貨の価格ボラティリティ(価格の変動)が大きく、幅が狭くなっているところは価格ボラティリティが小さいということを意味しています。

ボリンジャーバンドを仮想通貨に当てはめる

まず、ボリンジャーバンドを描写したら、見るポイントは2つです。

  • 仮想通貨の価格がバンドに対して、どの位置にあるか
  • バンドが広がっているか狭くなっているか

1つ目。バンドの上を超えたら上昇し過ぎなので「売り」、下を超えたら下落し過ぎなので「買い」と判断することができます。このような投資判断を逆張り(Contrarian)といいます。

2つ目。小さな値動きで小刻みに動いていたらバンド幅は狭いままです。ここで、価格が一定方向に勢いよく動き出したとします。するとボリンジャーバンドは幅が広がっていきます。そして、その方向性にのってトレードすることを、順張り(Market follow)といいます。

つまり、仮想通貨の価格相場動向によって「順張り手法」と「逆張り手法」の180度違った利用が考えられます。これを難しさと捉えるか、柔軟性と捉えるかは人によります。しかし少なくとも「現在の仮想通貨相場が荒れている状態なのか、静かな状態なのか」という現状認識はしておきましょう。

ボリンジャーバンドの思想、正規分布と標準偏差

ボリンジャーバンドの見かたと使いかたを学んだところで、このチャートの考え方に少し補足をしておきます。ボリンジャーバンドを構成する要素は、移動平均線(MA)と統計学の標準偏差(Standard deviation)正規分布(Normal distribution)またはガウス分布(Gaussian distribution)です。正規分布は、統計学、社会科学、自然科学あらゆる分野で欠かせない役割を果たす確率分布で、

「ものごと」が「ランダム」に振る舞うとき、その分布が「平均値」から「どの程度離れるか」を確率で示したもの

 

です。正規分布の特徴には、以下のようなものがあります。

  • 釣り鐘型をしている
  • 中心の線は平均値である
  • 平均値の両側は対称である

そして、正規分布を仮想通貨の価格予測に当てはめると、

  • 「ものごと」=ビットコインの終値
  • 「ランダム」=これから説明
  • 「平均値」=移動平均値
  • 「どの程度離れるか」=標準偏差

に読み替えることができます。この正規分布が成立するかどうかは、ランダムに振る舞うかどうかが重要です。自然界では木から落ちる葉っぱの落ち場所、実社会では日本人の身長分布などが正規分布に従うと言われていますが、価格についてはどうでしょうか。結論から言えば、完全にランダムとは言い難く、正規分布よりは裾が長く、べき分布のほうが近似できると言われています。

市場価格が変動したときに、元の価格に引き戻そうとする多くのトレーダーの基本的な行動パーターンがある一方で、価格が連続で10回同じ方向に動くと、それを「トレンドが発生した」とみなして、このトレンドに乗ろうとする集団心理が発生することは容易に想像できます。

この集団心理行動によて、市場価格はランダムな場合よりもはるかにスピーディーかつダイナミックに動くことになります。この典型的なパターンがバブルや大暴落です。バブルや大暴落が起こると、ボリンジャーバンドのチャートから大きく乖離した予想外の価格がプロットされることになります。

正規分布に従えば平均値±2σに収まる確率は95.44%(収まらない確率は4.56%)ですが、現実の市場価格はそうなっていないケースが多々あるわけです。価格がランダムウォークしてくれればボリンジャーバンドは理想的、しかし価格が正規分布してくれないというのが実情です。かといって、ボリンジャーバンドが当てにならないかといえばそうではありません。ボリンジャーバンドを用いている多数のトレーダーがいる以上、心理的な抵抗線になっているのです。

 

図:正規分布と標準偏差(sd)

ボリンジャーバンド正規分布例

ポロニエックスのチャート画面の説明と日本語訳

 

これまで、ポロニエックス社が採用している代表的な5つのチャートをもとに、仮想通貨のチャート分析の考え方を学んできました。ポロニエックスチャート画面には6つのチャート指標以外にも、たくさんの指標があります。現時点では日本語が提供されていませんので、チャート画面に限りますが、日本語訳と指標の簡単な説明を掲載します。ご参考までに。

 

図:ポロニエックスのチャート画面

ポロニエックスチャート画面

チャートA:最新の仮想通貨価格情報

Last Price : 最新のビットコイン価格(米ドル)
24hr Change:直近24時間の価格の変動率、24時間前と現在の比較です。
24hr High:直近24時間の中での最高値
24hr Low:直近24時間の中での最低値
24hr Volume:24時間の取引量(米ドル換算金額USDTと取引されたビットコイン量BTC)

チャートAでは、最新(24時間)の価格情報が確認できます。仮想通貨は24時間トレードができるため、直近24時間というのは休みなく価格が変動した24時間分です。また、Cのチャートを見れば一目瞭然ですが、Last Price/Change/High/Lowの4つの価格からある程度のチャートをイメージすることはできます。

BTC/USDTってなに?
Poloniexでは厳密にはBTCとUSD(米ドル)ではなく、BTC/USDTという通貨ペアを取引します。ここでBTCはビットコイン、USDTはTetherUSD(ティザー米ドル)のことです。Tetherは法定通貨と1:1の価値を持ちながらビットコインのブロックチェーンで稼働している仮想通貨です。BTC/USDTはBTC/USDと同じように取引できます。

チャートB:仮想通貨の一定期間の価格情報

Open:初値 ローソク足が1日単位の場合は、12:01 AM (UTC)時点の価格
Close:終値 ローソク足が1日単位の場合は、11:59 PM (UTC)時点の価格
High:最高値 ローソク足が4時間(4hr)単位なら、その4時間の中での最高値
Low:最安値 ローソク足が4時間(4hr)単位なら、その4時間の中での最安値
Wtd Avg:加重平均価格
Vol(USDT):取引量(米ドル換算)
Vol(BTC):取引量(ビットコイン数)
DateSep:時間の区切り位置(4時間単位なら、12時、16時、20時等)
初値、終値といった各種数字はある一定期間内の数字です。一定期間は任意に選択可能です。時間単位については、チャートGで詳しくご説明します。

チャートC:仮想通貨のテクニカル分析チャート

Candlestick:ローソク足
Fib Levels:フィボナッチ
SMA:単純移動平均線
EMA:指数平滑移動平均線
Bollinger Band:ボリンジャーバンド

これら5つのチャート分析指標は、既に説明してありますので、ここでは割愛いたします。

チャートD:仮想通貨の出来高・取引高チャート

出来高は、売りと買いが出会った量です。他の価格チャートとは違って、売買の活発さを示す量のバロメーターです。一般的には、出来高が多いときは人気が高く価格が上がる傾向にあります。しかし9月上旬においては、出来高が増えているにもかかわらず仮想通貨の価格(このチャートは8月〜9月21日までのビットコイン価格)は下落傾向です。

これは中国の仮想通貨への規制強化によって、中国人の売り圧力が強かったためと言われています。したがって、出来高の増加は「売りが強まっている」「買いが強まっている」といったトレンドを知る指標として利用できます。

チャートE:移動平均の進化版MACD

MACD(マックディー)

Sig(MACDシグナル)

Hist(MACDヒストグラム)

MACD(Moving Average Convergence Divergence:移動平均収束拡散手法)は、短期の移動平均線と長期の移動平均線の2つを用いるトレンド系のチャートです。MACDの計算を簡単にいうと「短期の移動平均線」から「中長期の移動平均線」の値を差し引いて求めます。

ここでいう移動平均線は、メインチャートに出てきたEMA(指数平滑移動平均線)で、直近の仮想通貨価格データを重要視する移動平均線です。求められたMACDの移動平均線をSig(Signal シグナル)と呼びます。また、MACDからシグナルを差し引くことでヒストグラムが求められます。MACD線の上昇・下降は、仮想通貨価格の上昇・下降に先行する性質を持っています。

チャートFとG:チャートの期間選び

F:ドラッグすることで表示するチャートの期間が選択できます
G:Zoomは、ドラッグではなく選択で、表示する期間を選択できます(直近6時間〜全期間)Candlesticksはローソク足の期間選択です(5分足〜1日足)。

チャートH:仮想通貨マーケット情報

Coin:通貨単位
Price:リアルタイム価格
Volume:リアルタイムの売買高
Change:過去24時間の価格変動率
Name:通貨名

※右上の設定マークを選択すると表示数(Row to Display)、保有状況(保有量:Balance、保有金額:Est.Value)がオプション選択できます。
※通貨単位BTC/ETH/XMR/USDTは、リスト化された通貨が交換可能な通貨単位で表示されます。

以上、仮想通貨のチャート分析の基本情報でした。

チャート分析の関連書籍

まず最初に、ビットコイン投資本は、海の物とも山の物ともつかないような本ばかりなので触れないようにして下さい。また、効かない薬に価値が無いように、勝てない投資本には価値がつかないのです。そこで、名著と言われた経験があり、かつ中古本で値下がりしていない投資本を紹介します。なお、チャート分析のハウツー本ならネット上の情報で充分ですので取り上げていません。

投資に関連する本

チャート分析を詳しく解説して欲しいなら、この本は向いていません。この本はメンタル本です。株式投資と違って24時間トレードが出来る仮想通貨のトレードには、心の休息時間はありません。

「チャートによるテクニカル分析や収益予測や各種財務指標等によるファンダメンタル分析は株価の予測にほとんど影響しません」と、本記事で紹介したものをバッサリと切り捨ててくれます(笑)。

 

魔術師なんてタイトルをつけるから、怪しい自己啓発本に見えてしまいます。この本は、トレーダーへのインタビュー本です。大きな損失を経験してることと、トレード記録をしっかり取っているという点は参考になると思います。

いつか投資につながる教養本

フィボナッチ数と黄金比について、すごいの一言で片付けません。非常に冷静な批評してくださって、むしろ黄金比はそこまで美しくない?と思えてくるほどです。実際に、黄金比の美しさには数多くの反論があります。

参考:「Mathematicians dispute claims that the ‘golden ratio’ is a natural blueprint for beauty

アメリカの数学教授が、黄金比が美しいという根拠はなく、魔法や宗教のようなものだと仰られております

八代将軍徳川吉宗に、唯一「予の意のままにならぬもの」と言わしめたのが当時の米相場です。ローソク足に興味をもったなら、本間宗久の歴史を紐解くのもいかがでしょうか。