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仮想通貨の熱狂は一部上場企業の株価も左右するほどの影響力。リップル(XRP)とSBI株価の関係。

仮想通貨Ripple:リップル(XRP)の急騰の理由

2017年12月12日から仮想通貨リップル(XRP)の価格が急騰しました。3日で3倍です。理由は、日本と韓国間の国際送金が三井住友銀行やりそな銀行で2018年春から正式に行われるということが発表されたからです。例えば、日本経済新聞ではこう報道されました。

 

 三井住友銀行やりそな銀行など37の金融機関が、米リップル社の技術を活用し韓国の大手銀行2行と15日から送金実験を始める。複数の参加者が取引履歴を共有し認証しあうブロックチェーン技術を活用し、コストを30%近く削減し、即日で海外送金ができるという。早ければ来春にも日韓の間で実際に利用される。

SBIホールディングス傘下のSBIリップルアジアが中心となり61の金融機関が参加する連合体が今回の実証実験を主導する。ブロックチェーン技術などを提供する韓国のベンチャー企業、デイリーインテリジェンス(ソウル市)が韓国側の銀行をとりまとめる。

 

リップル(XRP)とは?
リップル(XRP)はビットコインやイーサリアムなどと並ぶ、仮想通貨時価総額ランキング第3位の規模を持つ仮想通貨です。時価総額は約310億ドル(約3兆5000億円)で、ビットコインに比べ決済にかかる時間が約1200分の1、取引コストは約1万8800分の1に抑えられ、リップルの決済時の機能性や柔軟性に期待されています。

 

リップルの価格推移(12月8日〜15日)

Ripple価格急騰

 

なぜ日本と韓国だけの国際送金で、ここまで価格上昇に影響するかというと、リップル(XRP)の取引規模の4割近くが韓国通貨建ての取引だからです。母国の取引に利用されるというニュースが日本、そして韓国で報道され価格が上昇しました。

 

リップル売買代金の主要通貨ペア

リップル韓国

リップル急騰がSBIホールディングスの株価に影響を及ぼした

 

リップル価格の急上昇が、SBI株価の影響とどのような関係にあるのでしょうか。リップルの発行主体は米リップル社です。SBIホールディングス社はリップル社に10%を出資していおり、さらに共同出資する「SBIリップルアジア」というジョイントベンチャーも傘下に置く、リップル社との関係の深い会社です。

 

リップル急騰に追随してSBI株価も高騰

SBI株価とリップル

 

リップル社が現在発行するリップル(XRP)コインの総数は1000億。そのうち4割が市場に出回っており、残り6割の600億XRPをリップル社が保有しています。リップル(XRP)の価格が上昇すれば、6割分の保有を通じてリップル社の企業価値が上昇し、SBI社の出資分にプラスの影響があるというのが今回のSBI株価上昇の理由です。

リップル価格は12日〜15日のたった3日間で一時3倍以上値上がりしました。リップル社が自社保有するリップル(XRP)も同じだけ上昇したと考えれば、10%保有するSBIの出資分も同じく上昇しているわけです。

 

一部上場企業の株価も左右する仮想通貨マーケット

この影響力は、リップル価格の上昇、リップル社の企業価値上昇、投資先のSBI含み益増加、SBI社の株価上昇という一連の流れです。このように値動きの大きな仮想通貨の価格を企業価値にどう反映させるかというのは別途議論が進んでいるようです。

ただし、この状況は、仮想通貨の価格が一部上場企業の株価に大きく影響するほど、仮想通貨市場の影響力が増していることは間違いありません。