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トヨタの時価総額を抜いたビットコイン急騰を支えるミセスワタナベ

 

トヨタの時価総額を超えたビットコイン

 

ビットコインの時価総額は12月13日時点で約2940億ドル(約33兆3700億円)です。1年前の約125億ドルから23倍以上に増加しました。とくにここ最近の拡大スピードはすさまじく、11月末からの2週間弱で約8割増加し、ついにトヨタ自動車の時価総額を抜き去りました。

 

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足元のビットコインの相場は、日本の個人投資家の参戦が大きな原動力になっています。ビットコインの取引高は、2016年までは中国の個人投資家が大半を占めていたものの、中国の規制強化によって、中国人民建て比率は大幅に減少しました。現在は日本建て比率が高まっています。日本円建て比率は、2017年8月の23%から11月には41%まで拡大しています。米ドル建て38%を上回るシェアとなっています。

 

法的整備が進み取引所のシェア争いで個人投資家が続々参戦

 

日本の個人投資家が参戦しやすくなった要因の1つに仮想通貨に関する法整備が進んだことあります。日本は世界に先駆けて、4月に資金決済に関する法律(資金決済法)を改正し、仮想通貨取引所の登録制を導入しました。現在では15社が登録され、取引所のシェア争いが激化しテレビCMなどマスメディアを使った個人投資家集めが盛んになっています。

 

業界初のテレビCMで話題となったビットフライヤー社、タレントの出川哲朗氏がキャスティングされたコインチェック社など、口座開設を目的とした広告合戦が繰り広げられています。ただし、円建て取引の全てが個人投資家かというとそうではなく、ヘッジファンドが各種通貨建てのビットコインの取引の価格差を利用した売買を行っているとの憶測もあります。

 

しかしながら円建てビットコイン取引全体の半分近くは日本の個人投資家によるものと言われています。日本の株式市場は海外投資家が席巻していますが、ビットコインにおいては日本人の個人投資家が幅を利かせるおもしろい構造です。

 

個人投資家の集合体ミセスワタナベの存在

 

ミセス・ワタナベ(Mrs.Watanabe)はキモノ・トレーダー(Kimono Trader)とも呼ばれ、日本人個人の外国為替証拠金取引(FX)投資家を意味する俗称です。語源は2000年代半ばに円安でFXブームが起きFXに参戦した日本人の主婦を中心とした女性やサラリーマン投資家のことです。ミセスワタナベが外国為替証拠金取引(FX)から仮想通貨取引にシフトしていると言われています。

 

余談ですが、ミセスワタナベといえばFXで大きく稼いだ池辺雪子氏が有名です。2007年頃にFXで4億円の利益を出すも、納税額1.3億円を脱税したとして国税局に告発され、時の人になりました。

 

日本ではGMOコイン等が証拠金の25倍のレバレッジ取引をすることができます。24時間365日取引ができ、日中のボラティリティも高い中で個人投資家は大きなレバレッジ取引に涙することも多いのが実情です。

 

直近では1BTCが初の100万円を突破した11月26日、その後11月30日に急落し、ビットコイン取引所「bitFlyer」のFXでは、価格急変を防止するために取引を一時中断する制度「サーキットブレーカー」発動し、ロスカット(含み損が一定の金額に達すると強制的に決済される)で強制退場する人が続出しました。

 

仮想通貨のボラティリティ(価格の変動率)は外国為替の比ではなく、証拠金を超える損失が発生するリスクがFXより遥かに高いです。

 

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