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ロシアを二分する仮想通貨:中銀総裁に酷評されるも国立大学では暗号通貨講義開始

ロシアでは先週から中央銀行総裁や副総裁による仮想通貨への酷評が続き、一方でモスクワ国立大学といった名門大学で仮想通貨やブロックチェーンに関する講義コースが始まり、同一国内で方向性の異なる道を歩んでいます。

ロシア銀行総裁

ロシアの中央銀行ツートップが酷評した仮想通貨

先週、ロシアのソチ市で行われたイベントで、ロシアの中央銀行総裁エリビラ・ナビウリナ氏が語ったところによると

“We are categorically opposed to introducing cryptocurrencies in regulation as a monetary asset, an asset used to pay for goods and services, are against equating it with foreign currencies,… “

仮想通貨を商品やサービスの支払に利用される金融資産と同等とは認めない。外国通貨と同列に扱うこともしない。

ロシアの中央銀行総裁ドミトリースコベルキン氏も記者団に語ったところによると

“China doesn’t recognize cryptocurrency as payment and forbids ICOs,” he said. “Our views are absolutely similar. In our view, it’s a sort of a financial pyramid that may collapse at any moment.”

「中国は暗号通貨を支払いとして認識せず、ICOを禁じている」と述べた。 「われわれの見解は中国と完全に似通っている。これはねずみ講の1種ようなもので、いつでも崩壊する可能性がある」

昨年2016年には、ロシア中央銀行がブロックチェーンの研究機関の設立を発表したばかりです。イーサリアムの分散型台帳プロトタイプ「MasterChain」のテストをしていたのですが、中国のICOや取引所規制と時を同じくして一気に態度を硬化させた模様です。ブロックチェーンとビットコインやICOは別次元の話ではありますが、中央銀行のツートップがここまえビットコインを酷評した以上、何らかの法規制の講ずるのは時間の問題かと思われます。

ロシアの大学が始めた仮想通貨の講義コース

中央銀行が仮想通貨にNOを突きつけた矢先、アカデミック領域では別の動きを見せています。ロシア国内の大学5校で、今年から暗号通貨やブロックチェーン関連の講義が開講することが分かりました。名門モスクワ国立大学を始めとして、暗号学・ブロックチェーン技術・金融市場へのブロックチェーン技術の導入など幅広く暗号通貨を学ぶプログラムが提供される予定です。

<記事参考>
https://www.coindesk.com/russian-central-bank-strikes-restrictive-tone-cryptocurrency/

https://news.bitcoin.com/russian-universities-cryptocurrency-courses/

フィンテックやブロックチェーン技術と、投機対象としての仮想通貨を別物とし、前者は大学から教育し、後者は規制していくというわかりやすい構図なのかもしれません。