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ダド氏が2018年仮想通貨業界を大予測:Facebookがあの会社を買収するか

Blockchain Research Instituteの共同創業者であるダド ルービック(Dado Ruvic)氏による2018年の仮想通貨の予測の記事です。2017年予測のとき、彼はこう予測しました”Bitcoinは2,000ドルを打つだろう。 EthereumはDAO後には崩壊しませんが、新しいアプリや新しいビジネスモデルにとって支配的なプラットフォームになるだろう。“と。

その予測は見事的中したこともあり、2018年の予測値としては貴重な意見だと思いますので一部抜粋抄訳します。

 

1.仮想通貨全体の価値は成長を続けていく

 

我々は市場全体として依然としてポジティブです。大規模かつ永続的なクラッシュについては忘れてください。 仮想通貨・暗号通貨はボラティリティは高く、暴落は起こりうるでしょう。しかし、仮想通貨としての機能が改善される限り、全体的な価値は上昇を続けるでしょう。

2018年以降には、現在トップ10(ビットコイン、リップル、イーサリアム等)の大半は、ドットコムバブル時代の主要サービス(AOL等)がAmazon、Google、Facebookに取って代わったように、別のより機能性の高い通貨に代替されていくと予測する。

 

2.暗号通貨はより認知度が広まり、様々な産業でブロックチェーンの受け入れが起こる

 

Blockchain Research Instituteでは、ブロックチェーンが「金融サービス」、「小売および消費財」、「公共サービス」、「エネルギー」、「高等教育」、「輸送」、「製造」、「メディア」、「技術」、「医療」の10の主要産業を変えることを約束する方法を調査しています。多くのドットコム企業が波に飲まれていったように、ブロックチェーン系企業(Blockcom)は淘汰されていくと予測します。

 

3.価値創造のための新しいプラットフォームが出現する

 

ビットコイン(Bitcoin)はまだ単なる通貨であり、価値貯蔵手段(store of value)です。 電子メールがインターネットの最初の大きなアプリであったように、価値のインターネット(Internet of Value)の最初の大きなアプリと考えてください。 しかし、アプリケーション開発の汎用プラットフォームであるワールドワイドウェブ(WWW)と同等のものは何でしょうか?

イーサリアム(Ethereum)の成長を見てみると、価格と同時に、分散型アプリケーション(DApps)の数が増え続けていることがわかります。 2018年には、承認アルゴリズムがプルーフ・オブ・ワーク(PoW:Proof of Work)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS:Proof of Stake)に移行する予定です。

しかし、イーサリアム(Ethereum)は次世代の分散アプリケーションのプラットフォームになるでしょうか? 新しいインターネットバリューの核となるプロトコルの1つになるのでしょうか、それとも何か他のものが代わりになるのでしょうか? 現時点ではビットコインを超える「 フリップニング(逆転劇)」の候補となっており、そのためにPoSへの移行など、機能を拡張するための大規模な作業が進行中です。

2018年、イーサリアム(Ethereum)以外に見られる新しいプラットフォームには、Cosmos、Aion、ICON、Polkadotなどがあり、これらのプラットフォームはスケーラビリティ、相互運用性、ガバナンスという重要な問題に取り組むことができます。これらの新しいプラットフォームは、最初から既存仮想通貨のボトルネックの多くを克服するように設計されているため、以前のプラットフォームとは大きく異なります。

これらのいわゆる「第3世代ブロックチェーン」は、スマートコントラクト機能、相互運用性、スケーラビリティ、カスタマイズ、マルチアセットとマルチインダストリの両方を実現することを目指している点でユニークです。2018年は、これらの与えらしいプラットフォームが成功するかどうか、節目となるでしょう。

 

4. 株式型のトークンへの移行

 

2017年は、ICOが盛んに繰り広げられてきました。ただほとんどのトークンの売買は、投機的な利益がその推進力となりました。 しかし、ICOの本来の目的は、投機ではなく、技術的なイノベーションなど事業化に投資されるべきです。

2018年も、ICOには多くの機会があります。高機能の通貨(例えば、匿名性、スケーラビリティ、代替可能性(Fungibility))、ロイヤリティトークン、またはカーボンクレジット(排出権)のようなソーシャルトークンなどが目玉となるでしょう。加えて、まだ初期段階ですが、価格が爆発する可能性が高いのは、証券、債券、先物契約などの金融資産を代表する仮想通貨トークンでしょう。

※原文では、テスラの自動車が買えないテスラファンへ向けの、テスラトークンの発行案が出されています

 

5.デジタル封建制度に亀裂が入る

 

デジタル封建制度(Digital Feudalism)の下で、私たちのデータは君主(ソーシャルメディア企業、検索エンジン企業、政府や銀行など)に牛耳られていますが、ブロックチェーン技術によって自分自身でデータの自己管理ができるようになります。

例えば2018年には、Consensys、Civicといったテクノロジー企業の個人認証プロジェクトが進行中です。このようなデータアグリゲーターの登場が2018年に起こると考えています。

※デジタル封建制度は訳語がうまくないのですが、主従関係の元に成り立つ社会体制のデジタル版を意味しています。Google(主)に個人情報を全てを委ねてしまった私たち(従)のような半ば奴隷的な意味合いが込められています。

 

6.デジタル複合体(コングロマリット)

 

ここで世界最大のデジタルコングロマリットはフェイスブック、アマゾン、アップルなどを指します。5と同じように膨大なユーザーデータの取りこみに成功しています。ブロックチェーン技術がこれらのデジタルコングロマリット企業に脅威であることは間違いありません。

しかし2018年には、これらの企業が何らかの形でブロックチェーン技術を採用していくことになるでしょう。例えば、2017年12月12日には、Facebookメッセンジャーの幹部であるDavid Marcusが仮想通貨取引所のCoinbaseのボードメンバーに加わることを発表しました。今後、FacebookによるCoinbaseの買収があり得るかもしれません。

 

7.法定通貨としての暗号通貨

 

2017年には、中国、ロシア、ドバイ、ベネズエラ(民主主義ではない他のいくつかの国々)がいくつか仮想通貨業界にとっては注目の的となりました。法定通貨の暗号通貨化は、そのようなものではなく、政府が主導的に、既存の暗号通貨を弱体化させようとする試みです。

2018年には、スイス、シンガポール、カナダ、インド、エストニア、韓国、日本、英国などの国々の対応が期待されています。一方、ビットコインや他の暗号通貨が、実際の価値の交換媒体としてのその有用性を深めることを期待しています。商品やサービスの支払いのためにビットコインを受け入れる何千もの大規模または中規模の企業があり、今後も増えていくでしょう。

 

8.政府による規制強化の嵐

 

2017年には、ブロックチェーンと暗号通貨は政府が無視できないほど大きくなりました。 2018年には、暗号通貨は壊滅させられないほど大きな存在となるでしょう。しかし多くの規制当局はより積極的になると思われますが、これは必ずしも悪いことではありません。

一部の近視眼的な政府のように(すなわち中国)、デジタル通貨全般を完全抑制または完全禁止するような間違った規制によって、経済をイノベーションと成長機会を追いやってしまいました。

この新しいインターネットに現れた価値、暗号通貨は、公共の利益をもたらし、多くの業界や組織に変革を求めます。そこでは、賢明な規制が役立ちます。起業家がデジタルトークンを発行して30億ドル以上を調達するような非常に投機的なICOのような多くの分野では、規制が緊急に必要とされています。

 

元記事は「Ten cryptocurrency predictions for 2018 from the co-founder of the Blockchain Research Institute」です。元記事では10の予測をしていますが、8つをピックアップしています。