ホーム / 市況 / 3月までに控える仮想通貨の悪材料2つと最近の好材料3つ

3月までに控える仮想通貨の悪材料2つと最近の好材料3つ

2月の仮想通貨悪材料

 

2月6日、10時13分現在のビットコイン価格はビットフライヤーで74万3,518円。先週末には金融庁によるコインチェック社立入り検査で、ビットコインセキュリティ問題は一段と注目度を増しました。コインチェック社は3日に顧客資産(仮想通貨と現金)の出勤再開について目処がたってないと改めて発表しました。

また、アメリカではJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループが自行が発行するクレジットカードを利用した仮想通貨の購入を停止、テザー社が発行するドルペッグの仮想通貨トークンのUSDTが発行上限額を越えて発行されているテザー疑惑など、悪材料が毎日のように報じられています。

  • コインチェック社不正問題の未解決
  • テザー疑惑
  • 米国クレジットカード購入の停止

 

また、今後出てくる不安材料として考えられるのは

 

確定申告による下落(2月中旬〜3月中旬)

 

2017年は仮想通貨で大幅に資産を増やした「億り人」が出た年です。2017年分の確定申告は2月16日〜3月15日に行われます。税金の支払に充てる日本円がまだ準備していない人がいれば、これから仮想通貨を現金にする可能性もあり、下落要因になりえます。

確定申告は日本国内のイベントであって、国内限定要因です。ただ、Cryptocompareによると2018/02/06時点のビットコイン通貨別取引高の日本円建てシェアは約40%で、いまだ大きなシェアを占めています。

 

通貨建て別のビットコインシェア

日本円建てビットコイン

 

 

国際会議での初の規制強化議論(3月)

 

3月にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨の国際的な規制が議論される予定となっています。この議題を提出しているのがフランスとドイツです。政府の国際会議で仮想通貨が議論されるのは初めてのことで、規制強化の方向に進むと思われます。

これは規制強化で価格暴落というシナリオの可能性を秘める一方で、健全化の第一歩でもあります。アメリカのムニューシン財務長官は仮想通貨の問題点について、「金融市場の安定にとって脅威だとは見ていないが、犯罪にかかわる者たちに使われていないか確認したい」と述べています。G20ではマネーロンダリングの防止などに加えて、利用者を保護するためのセキュリティー対策の強化が議論されるのではないでしょうか。

 

2月の仮想通貨好材料

 

仮想通貨の価格が物語っているように、2018年に入って悪材料続きです。好材料はというと、いくつかあります。Facebookが仮想通貨の広告を禁止しましたが、これはFacebookの仮想通貨参入の裏返しとも言われています。また、LINEは仮想通貨取引を手がける金融子会社を設立したと発表しました。また、中国の中国銀行がフィンテック計画を発表し、今後リップルの技術を国際決済に取り入れるとアナウンスしました。

 

Facebook広告の禁止と仮想通貨参入可能性

 

米フェイスブックが1月末、フェイスブックと同社が運営する広告ネットワーク、そしてインスタグラム上における仮想通貨やICO関連の広告掲載を禁止しました。広告掲載ポリシーでは、

 

「誤解を招く、あるいは人を欺く行為と頻繁に連想づけられるバイナリーオプション、ICO、仮想通貨等のような金融商品やサービスを宣伝してはならない」

 

と、かなり広範囲に制限がかかった模様です。自然な感想として、次はグーグルが同様の禁止令を発する可能性について気になるところです。現時点ではグーグルからはアナウンスは出ていません。1月上旬にフェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグ氏が仮想通貨への参入検討を示していただけに、今回の広告規制は競合締め出しの可能性もあると考えています。

 

LINEの仮想通貨参入について

LINEフィンテック事業

LINE仮想通貨

 

先日行われた決算会見ではCEOの出澤氏は「自社の仮想通貨をやるかと言われれば、現状ではそうではない」と、独自仮想通貨説を否定しています。「単に取引所を始めるわけではなく、仮想通貨やその背景にあるブロックチェーン技術に幅広い可能性を見ている」と、LINEプラットフォームを軸にした取引所など、検討しているようです。金融庁へ仮想通貨交換業者登録を申請しており、現在審査中とのことです。

 

中国銀行によるフィンテック計画

 

中国の商業銀行大手の中国銀行(Bank of China)がフィンテック計画を発表し、今後リップルの技術を国際決済に取り入れると発表しました。世界の5本の指に入る巨大銀行ですので、リップル採用となれば好材料になるでしょう。2016年のデータですが、銀行ランキングは以下の通りです。中国独占ですね。

  • 1位 中国工商銀行(中国)3兆3209億ドル
  • 2位 中国建設銀行(中国)2兆6980億ドル
  • 3位 中国農業銀行(中国)2兆5739億ドル
  • 4位 BNPパリバ(フランス)2兆5136億ドル
  • 5位 中国銀行(中国)2兆4574億ドル

なお、Twitter等で中国政府が計画発表と投稿しているものがありますが、銀行は政府管轄ではあるものの、中国の中央銀行は「中国人民銀行(People’s Bank of China)」です。今回発表したのは商業銀行であって中央銀行ではありません。なお、岡山県の中国銀行(Chugoku Bank)もリップルコンソーシアムに参加しています。

 

このように悪材料と好材料のバランスの上で、価格は貧弱な動きをしています。2月3月と悪材料が見えている中では、下限無しの仮想通貨ですから、無理に投資する必要はありませんね。