BitFlyer(ビットフライヤー)やCoincheck(コインチェック)といった仮想通貨の取引所で、日本円で取引をする場合、取引所指定口座に入金することがポピュラーです。入出金の手数料を計算したことがありますか?たかが数百円だろうと思って、見過ごしていませんか?
今後、仮想通貨投資を増やしていこうと思っているなら、しっかりと手数料を考慮してトレードすべきです。手数料を安くするには、銀行口座選びです。結論から言うと三大メガバンクの三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行は手数料が高いのでビットコインの取引には向いていません。ネット専業銀行と比較すると、毎月1回3万円の入金で年間5000円以上の手数料の差がでます。
この記事のまとめ
- 住信SBIネット銀行なら、ビットコイン入金手数料が無料になる
- 1回の入金で、最大で432円の手数料の差が出る
- 毎月入金するなら、年間で数千円の入金手数料を払う銀行がある
ビットコイン取引にかかる手数料
日本円で暗号通貨を取引するにあたり、入出金手数料は2つに分けることができます。
- 取引所のアカウントに入金する手数料=銀行振込手数料
- 取引所から銀行口座に出金する手数料=取引所規定の手数料
です。投資資金を毎回銀行口座に出金するケースは稀ですから、2番めは別の機会に比較します。今回取り上げるのは1番めの銀行振込手数料です。定期的に日本円でビットコインを買う(入金)するなら、見過ごせない手数料です。この手数料をどれだけ低く抑えられるかがポイントです。
銀行振込手数料は他行宛か自行宛かで差がでる
自身の銀行口座から取引所の指定銀行口座に振込をするにあたって、まず考える必要があるのは「自行宛て」か「他行宛て」かという問題です。ご自身の持っている口座の銀行と取引所の指定口座が同じ銀行であれば「自行宛て」になるので手数料はかからない或いは非常に安いことが多いです。
一方、他行宛は銀行によって振込手数料に大きな差があります。そこで、各主要銀行の「自行宛て振込手数料」と「他行宛て振込手数料」を調べてみました。
主要銀行の自行宛てネットバンキング手数料一覧
銀行名 | 3万円未満 | 3万円以上 |
---|---|---|
イオン銀行 | 0円 | 0円 |
オリックス銀行 | 0円 | 0円 |
じぶん銀行 | 0円 | 0円 |
ジャパンネット銀行 | 54円 | 54円 |
セブン銀行 | 54円 | 54円 |
住信SBIネット銀行 | 0円 | 0円 |
大和ネクスト銀行 | 0円 | 0円 |
新生銀行 | 0円 | 0円 |
楽天銀行 | 0円 | 0円 |
野村信託銀行 | 0円 | 0円 |
ソニー銀行 | 0円 | 0円 |
みずほ銀行 | 108円 | 216円 |
ゆうちょ銀行 | 0円 | 0円 |
りそな銀行 | 0円 | 0円 |
三井住友銀行 | 108円 | 108円 |
三菱東京UFJ銀行 | 0円 | 0円 |
銀行名 | 3万円未満 | 3万円以上 | 手数料無料回数/月 |
---|---|---|---|
イオン銀行 | 216円 | 216円 | – |
オリックス銀行 | 432円 | 432円 | 2回 |
じぶん銀行 | 174円 | 278円 | – |
ジャパンネット銀行 | 172円 | 270円 | |
セブン銀行 | 216円 | 216円 | – |
住信SBIネット銀行 | 154円 | 154円 | 1〜15回 |
大和ネクスト銀行 | 216円 | 216円 | 3回 |
新生銀行 | 103~308円 | 103~308円 | 1~10回 |
楽天銀行 | 165円 | 258円 | – |
野村信託銀行 | 216円 | 216円 | 10回 |
ソニー銀行 | 216円 | 216円 | 2回 |
みずほ銀行 | 216円 | 432円 | 条件により無料あり |
りそな銀行 | 100円 | 100円 | |
三井住友銀行 | 216円 | 432円 | |
三菱東京UFJ銀行 | 216円 | 324円 |
仮想通貨取引所の指定する口座に入金し、自分のアカウントに日本円残高を持たなければ、取引ができません。この口座に入金する際の手数料は、上の一覧表の通り、銀行によって大きく異なります。そして、メガバンクではなくネット専業銀行のほうが安いことがお分かりになると思います。
手数料を安くするには取引所指定口座と同じ銀行口座を開設
では、仮想通貨の取引所はどの銀行を指定口座にしているのでしょうか。ご覧の通り主要な3つの仮想通貨取引所では住信SBIネット銀行が共通の指定口座です。住信SBIネット銀行の口座から手数料無料で入金でき、回数制限もありません。また、他行宛だったとしても月に1〜15回の手数料無料取引ができます。したがって、住信SBIネット銀行が最も経済的な口座だと言えます。
- BitFlyer : 住信SBIネット銀行/三井住友銀行
- Coincheck : 住信SBIネット銀行/りそな銀行
- Zaif : 住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行の振込手数料を無料にするための条件
住信SBIネット銀行の他行宛の振込手数料は、口座開設時には月1回まで無料(ランク1)となっています。しかし、特定の条件を満たすことで、月に最大15回まで無料にすることが出来ます。ビットコイン取引専用口座で開設すると考えた場合、月に15回も入金することは考えにくいので、月に3回程度の入金を想定してみます。
月に3回の入金手数料を無料にするにはランクを1つだけ上げればいいのです。ランクを1つ上げるための条件は、以下の条件の1〜4のいずれかを満たせば自動的に上がります。
住信SBIネットで手数料無料の回数を増やす方法
- 条件1.総預金の月末残高が30万円以上
- 条件2.総預金の月末残高が1,000円以上 かつ ロボアドバイザー残高の合計が月末時点で10万円以上
- 条件3.総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 以下1~9の条件のうち2つ該当
- 外貨預金(普通・定期)の月末残高あり
- 仕組預金の月末残高あり
- SBIハイブリッド預金の月末残高あり
- 純金積立の月末時点でご契約あり
- 給与、賞与または年金の月内ご入金あり
- 目的ローンまたは不動産担保ローンの月末残高あり
- カードローンの月末残高あり(50万円以上2つにカウント)
- Visaデビットカードの月末時点の確定金額が合計1万円以上(3万円以上2つにカウント)
- BIG・toto購入または公営競技ご入金の月内合計が2万円以上
- 条件4.総預金の月末残高が1,000円以上 かつ 30歳未満
30歳未満の人なら、1000円以上の預金をしておけばランクアップは確定です。30歳以上の人なら、「1. 外貨預金(普通・定期)の月末残高あり」か「3. SBIハイブリッド預金の月末残高あり」が最も手間がかからないと思います。理由は、1ドルだけでも外貨預金すれば良く、既にSBI証券の口座を持っていれば口座連携すれば済みます。SBI証券口座をお持ちでなければ、給与口座として指定するのもいいかもしれません。
ビットコインの取引で、振込手数料に差がでる取引パターン
銀行口座を作るのも意外と面倒なものです。そこで、以下のようなモデルケースを考えることによって、ビットコインの取引手数料がどれくらいお財布にダメージを与えるのか考えてみたいと思います。モデルケースでは東京三菱UFJ銀行の口座の場合と、住信SBIネット銀行の口座の場合を比較して、年間でどれくらい手数料に差がでるのかを考えます。
モデルケース(銀行比較)
- Aさん:東京三菱UFJ銀行の口座利用
- Bさん:住信SBIネット銀行の口座利用
- 取引所:BitFlyer
- 入金額:毎月1回1万円
- 入金期間:1年
- Aさんの入金手数料合計=0円
- Bさんの入金手数料合計=5,184円
このように1回の手数料は数百円ですが、年間で計算すると5000円ほどの差を生みます。たかが5000円と思うかもしれませんが、安価なアルトコインが200〜300単位ほど購入できる金額です。
銀行のような中央集権型の決済ではない分散型決済に魅力を感じてビットコインに投資しているはずです。つまり手数料が限りなくゼロに近いのがビットコインの魅力の1つです。したがって、ビットコイン投資のために振込手数料を取られ続けるというのは魅力が半減しているようなものです。銀行口座選びは、ぜひ慎重に行って下さい。