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【ビットコイン関連書籍】いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン

著者は、ビットコインの取引所大手のコインチェック株式会社共同創業者兼COO(最高執行責任者)大塚雄介氏。デジタル時代に新しく生まれたビットコインと、それを支えるブロックチェーン、そしてフィンテックへと続く解説を行っている本です。本書の流れも同じく、ビットコインからフィンテックへ向けて順序よく書かれています。内容の濃さでは他書には劣りますが、最初に手に取る入門書としては秀逸だと思います。一貫して、一問一答形式で書かれているため、飛ばし読みしでも通読でも読み方は自由です。

もし、ビットコインは「非常に危険なもので、怪しく、不安定で、素人が手を出すものではない」といった印象を持っている人にはぜひ手にとってもらいたい本です。著者がビットコイン取引所側の人間だからこそ、「ビットコインの未来、面白さ、安全性(取引所が担う安全性やビットコイン自体の安全性)」について、これでもかというほど丁寧に書かれています。したがって、その意味では啓蒙書といえるかもしれません。ただ、啓蒙書や入門書という位置づけで書かれているため技術的な側面は大幅に割愛しています。もしニュース記事や他書で一通りのビットコインの知識が頭に入っている人は、新しい発見は少ないと思います。

また、ビットコインがタイトルにある「いまさらきけない」というほど市民権を得ているとは思えません。著者がコインチェックの創業者であることを考えれば、ビットコインをやり始めましょう、という宣伝のための書籍だと感じる記載も多いです。ニュース記事を見ていても、全体像を把握しきれていない人やこれからビットコインの売買を始める人などには良書ではないでしょうか。