ついに始まる金融庁による無登録業者狩り
金融庁は、2月13日以降、無登録の仮想通貨交換事業者(仮想通貨の取引所)に対して、改正資金決済法に基く初めての警告を出すことを決めました。日本では、登録業者以外の仮想通貨の勧誘や営業活動は違法です。2017年4月に施行された改正資金決済法では「登録業者」と「みなし業者」しか日本で営業活動ができません。無登録業者は仮想通貨の交換などは一切禁止されています。
金融庁の警告一発目は、マカオのブロックチェーンラボラトリー
金融庁の逆鱗に触れてしまった無登録業者の第一号は、「ブロックチェーンラボラトリー」です。この会社は、本社がマカオで、事業内容はICOの代理業や投資勧誘セミナーを日本国内で行っていました。金融庁はこれまで何度も注意してきたようですが、営業活動を停止しなかったため今回の警告処分となるようです。それでも遵守しない場合は、警察当局に告発し、警察が捜査に入る段取りとなっています。
ブロックチェーンラボラトリーの会社概要
金融庁が、代表者のJAY LIU氏に何度も注意したわけではなく、実際は、仮想通貨投資セミナーを日本全国で開催していたチャーリー・TAKA(田塩享寛)氏だと思われます。田塩氏の情報は、ネット上に溢れておりますので、時間を持て余している方はご自身でお調べ下さい。仮想通貨投資勧誘セミナーがどれだけ怪しいものかを知りたければ、例えばワルコインさんの潜入レポートが有益です。
ブロックチェーンラボラトリーのチャーリーTAKA氏
バイナンスの日本語非対応化も金融庁からの削除指示
日本語対応の海外取引所ということで、このサイトでもご紹介していたバイナンスが今年から日本語が非対応となっています。この背景にあるのが、金融庁による厳しい監視の目です。海外取引所であっても、日本語で日本人向けに営業活動することは「無登録業者による営業活動」の一環とみなされるようです。バイナンスは日本の金融庁から日本語削除の指摘をうけて、今年から日本語対応を停止したようです。
ネイティブな日本語対応は消えてしまいましたが、お隣にGoogle翻訳が追加されています。バイナンスの取引機能は、日本の取引所と大きな差はありません。翻訳ツールがGoogleになっても、大きな支障はなさそうです。一通りチェックしましたが、問題なく使えています。
警告を出す背景には、コインチェック社のセキュリティ問題や無登録業者の投資勧誘セミナーが活発化しており投資家が損害を被る恐れがあると判断したからです。例えばコインチェックに見切りをつけて他の取引所へ資産移動する場合にも、「登録業者」を最優先に検討し、どうしても条件が合わない場合に限り、みなし登録業者で取引をしましょう。
最優先で検討したい仮想通貨の登録業者 16社
2018/02/12現在、登録業者として金融庁に登録されているのは以下の会社です。
- 株式会社マネーパートナーズ
- QUOINE株式会社
- 株式会社bitFlyer
- ビットバンク株式会社
- SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社
- GMOコイン株式会社
- ビットトレード株式会社
- BTCボックス株式会社
- 株式会社ビットポイントジャパン
- 株式会社DMM Bitcoin
- 株式会社ビットアルゴ取引所東京
- エフ・ティ・ティ株式会社
- 株式会社BITOCEAN
- 株式会社フィスコ仮想通貨取引所
- テックビューロ株式会社
- 株式会社Xtheta
各社が取り扱っている仮想通貨は、金融庁の一覧からご覧頂けます。
次善の策で検討したいみなし登録業者 16社
登録申請中の交換業者である「みなし業者」は、法施行前から営業していた業者に対して、特例として認められている形態です。したがって、登録申請中ではあるものの登録業者になる保証はありません。
- みんなのビットコイン
- Payward Japan(Kraken)
- バイクリメンツ
- CAMPFIRE
- 東京ゲートウェイ
- LastRoots
- deBit
- エターナルリンク
- FSHO
- 来夢
- ビットステーション
- ブルードリームジャパン
- ミスターエクスチェンジ
- BMEX
- bitExpress
- コインチェック
登録業者16社と、みなし業者16社、合計32社以外は日本国内で仮想通貨の斡旋や営業活動を行うことを禁じられています。
金融庁の一連の動きについて感想
コインチェックの不正アクセス事件後、金融庁は、コインチェック社を含むみなし業者が「みなしのまま」営業できる期限を設けるようです。とはいえ、裏を返せば、営業継続を認めたわけですから、金融庁の判断については疑問が残ります。すぐさま、みなし状態を解消すべきだと思います。
また、取引所を登録制にしたことで現在の16社に、国のお墨付きを与えた形になっています。このお墨付きに安心し、リスクやセキュリティを理解していない人にまで取引が広がってしまったといえます。
今回の警告を皮切りに、金融庁の介入が強く、深くなることが予想されます。無登録業者はもちろん、みなし業者も突然営業を停止する可能性があります。日本国内の取引所なら、登録業者を最優先で利用することを心がけましょう。